【はじめに】その一言から、あなたの「位牌作り」は始まります
お寺様から、「そろそろ、本位牌の準備をお願いします」と声をかけられた。
多くの方にとって、それは初めての経験であり、「さて、何から始めればいいんだろう…」と戸惑ってしまう瞬間だと思います。
ご安心ください。
それは、故人様の四十九日法要に向けて「本位牌」を準備する、大切な始まりの合図です。

こんにちは。「仏具の教科書」のスギです。
この記事では、そう言われたあなたが、今日から具体的に何を、どのような順番で進めてけば良いのか、その全ステップを分かりやすく解説します。
STEP1:まず、手元にある「白木位牌」の写真を撮る
あなたが今、一番最初にやるべきことは、祭壇に安置されている「白木位牌(仮位牌)」の写真を、スマートフォンで撮ることです。表と裏、両方から鮮明に撮影してください。
【なぜなら】
この白木位牌には、新しい本位牌に刻むべき「戒名」「没年月日」「俗名」「行年」といった、全ての重要な情報が書かれているからです。仏具店に相談に行く際、この写真さえあれば、情報の伝え間違いが絶対に起こりません。
STEP2:いつまでに必要か「四十九日法要の日」を確認する
次に、四十九日法要の日付を正確に確認しましょう。本位牌は、この法要に間に合うように準備するのが一般的です。
【プロの視点】
位牌の作成には、文字彫りも含めて通常2週間前後かかります。お盆前などの繁忙期は、さらに時間がかかることもあります。法要の日から逆算し、遅くとも3週間前には仏具店に相談に行くと、余裕を持って準備を進められます。
STEP3:どんな位牌があるのかを知る(全体像の把握)


いざ位牌を選ぼうとしても、種類が多くて迷ってしまいますよね。まずは、どんな選択肢があるのか、全体像を把握しましょう。
- 伝統的なデザインが良い → 「塗り位牌」「唐木位牌」
- リビングに合う、おしゃれなものが良い → 「モダン位牌」
- ご先祖様が多く、一つにまとめたい → 「繰出位牌」「過去帳」
それぞれの位牌には、素晴らしい価値と特徴があります。
▼「どんな種類があるか、まず全体像を知りたい」というあなたへ
こちらの記事で、本位牌の全種類を詳しく解説しています。
⇒【本位牌の完全ガイド】種類・選び方から作り方まで仏具店員が全解説
▼「リビングに合う、おしゃれな位牌を探している」というあなたへ
こちらの記事で、私が厳選したおすすめのデザインを紹介しています。
[⇒【モダン位牌】リビングに合うおしゃれなデザイン10選](ここにクラスター記事へのリンクを貼る)
STEP4:仏具店へ相談に行く(またはオンラインで探す)
ここまでの準備が整ったら、いよいよ仏具店へ相談に行きましょう。
【持っていくもの】
- STEP1で撮影した、白木位牌の写真
- STEP2で確認した、四十九日法要の日付
- お仏壇の寸法(特に位牌を置くスペースの高さ・奥行き・幅)
これさえあれば、話は非常にスムーズに進みます。お店の専門家が、あなたにぴったりの位牌選びを、親身になって手伝ってくれるはずです。
【プロの視点】お寺様が「位牌の準備を」と言う、本当の意味
お寺様からの「位牌の準備を」という言葉は、単なる事務的な指示ではありません。
それは、ご家族を亡くされ、慌ただしい日々を送るあなたへの、お寺様からの優しい心遣いでもあるのです。
「位牌を作る」という具体的な作業に取り組むことを通して、私たちは故人様と改めて向き合い、悲しみを少しずつ整理していくことができます。
つまり、位牌作りは、残された私たちが、故人を偲ぶ気持ちを新しい「かたち」に整え、心の平穏を取り戻していくための、大切なプロセスなのです。
【まとめ】
お寺様に「位牌の準備を」と言われたら、慌てる必要はありません。
- 白木位牌の写真を撮る
- 四十九日法要の日付を確認する
- どんな位牌があるか、ざっくりと調べる
- 仏具店に相談に行く
この4つのステップで、誰でもスムーズに、そして故人への想いを込めて、最高の一本を準備することができます。
この記事が、あなたの「最初の一歩」を、力強く後押しできれば幸いです。
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