【初盆の位牌】は必要？専門家が語る、その本当の意味と準備の全手順

2025年7月14日2025年11月12日

【はじめに】故人が初めて帰ってくる、特別な「お盆」

「初盆（はつぼん）」または「新盆（にいぼん）」は、故人が亡くなってから、初めて迎えるお盆のことです。
ご家族やご親戚が集まり、故人を偲ぶ、非常に大切な時間ですね。

しかし、初めてのことで、「何を、いつまでに準備すればいいの？」「特に、位牌はどうすれば…？」と、不安を感じている方も多いのではないでしょうか。

スギ

こんにちは。「仏具の教科書」のスギです。
この記事では、初盆を迎えるにあたり、なぜ「本位牌」の準備が重要なのか、その本当の意味と、失敗しない準備の全手順を、専門家の視点から徹底解説します。

【浄土真宗本願寺派(お西)・真宗大谷派(お東)の方へ：重要なご注意】
この記事は、主に浄土真宗以外の宗派（お位牌を用いる宗派）の「初盆」について解説しています。

1.【本質】なぜ、初盆に「本位牌」が大切なのか

初盆は、葬儀後の慌ただしさが一段落し、ご家族が故人の死と改めて向き合う、最初の大きな節目です。
そこには、ご親戚も集まり、皆の故人への想い（悲しみ、感謝、愛情）が、その場にあふれます。

「本位牌」とは、その目に見えない、バラバラだったかもしれないご家族の想いを、一つに束ね、受け止めてくれる「かたち」そのものです。

ご家族全員が、新しく作られた美しい「本位牌」という一つの対象に向かって手を合わせることで、故人への感謝の気持ちを共有し、「これからも、みんなで故人を偲んでいこうね」という、生きている私たち自身の、新しい絆を確認することができます。
これこそが、初盆に本位牌を準備する、最も大切な意味です。

また、故人を弔う一番のイベントが「葬儀」、次に大きいイベントが「初盆」です。そのビッグイベントに、故人を想う気持ちを一番形にできる本位牌を準備するのを強くおすすめします。
[⇒【本位牌の完全ガイド】種類・選び方から作り方まで仏具店員が全解説]

2.【実践】初盆に間に合わせる、本位牌の準備4ステップ

初盆の儀式で「本位牌」を使うためには、四十九日法要、または、遅くともお盆までには準備を完了させておく必要があります。

STEP1：四十九日法要までに「本位牌」を準備する

葬儀で使った「白木位牌（仮位牌）」は、四十九日法要までのものです。法要までに、必ず「本位牌」を仏具店などで注文しましょう。

▼「どんな本位牌を選べば良いか、具体的な商品を見たい」という方へ
[⇒【モダン位牌】リビングに合うおしゃれなデザイン10選｜仏具店員が厳選]
[⇒【唐木位牌の全知識】黒檀・紫檀から春慶塗りまで]
[⇒【塗り位牌の全知識】会津塗りの品質と彫刻の秘密]

[⇒「仮位牌」から「本位牌」への詳しい流れはこちら]

STEP2：四十九日法要で「開眼供養」を行う

新しい本位牌ができたら、四十九日法要の際に、お寺様にお願いして「開眼供養（かいげんくよう）」の儀式を執り行います。
これは、故人の魂を入れる儀式ではありません。「今日から、この位牌を、私たちの感謝の気持ちを託す『かたち』として、大切にお祀りします」と宣言する、生きている私たちのための大切な儀式です。
[⇒「開眼供養（魂入れ）」の本当の意味はこちら]