【位牌の作り方】「仮位牌」と「本位牌」の違いを仏具店員が解説!

・仮位牌と本位牌は何が違うのか
・どこで位牌を作るの?
・金額の相場を知りたい
・納期はどのくらいかかるのか
・49日法要までに間に合いますか?

「位牌を作る」とは、具体的にどうしたらいいのか分からないと思います。仮位牌、本位牌という言葉もさらに分からないを増やしてしまいます。まず、「位牌を作る=本位牌を作る」ということです。さらに、「仮位牌=49日法要まで使用」「本位牌=49日法要から使用」。簡潔にいうとこうなります。

この記事を読めば、本位牌を初めて購入する方でもスムーズに作ることができます。仏具店員という専門店(プロ)の目線から分かりやすく解説していきます。事前に準備することやどこで購入するのか、またはどのくらいの金額で、どのくらいの日数が必要か順序立てて説明します。

スギ
スギ

創業60年以上の老舗仏具店で2009年から勤務中。仏壇、仏具の販売、国宝寺院、重要文化財指定寺院の仕事にも従事。本位牌も1500本以上作成経験があり、専門家目線の正しいアドバイスをしていきます。

目次

位牌とは?

位牌とは、亡くなった方を供養する重要な仏具のひとつです。亡くなられた人が最後にその身をもって、人は必ずいつか亡くなるということを教えてくれます。そして、人が亡くなるということの重さを伝えてくれます。故人を偲ぶ気持ちと、感謝の気持ちをふまえて、位牌を作るとその本来の意味を体言化することができます。仏壇に安置し、手を合わせ供養していきましょう。

仮位牌と本位牌の違い

仮位牌: 葬儀のときに用いられ、49日法要まで使用される。白木で作られており、簡易的な位牌になります。お寺様が戒名などを書いてくれます。多くの場合、葬儀社が準備してくれます。

本位牌: 49日法要から使用していきます。49日までに作って準備しておきます。塗物や金箔、唐木などを使った作りのものが多く、本格的な作りの位牌になります。そのため長期(一般的に50回忌までは使用)に渡ってお参りできるようになっています。仏具店などの専門店で作ります。

本位牌作りの準備

本位牌に入れる文字の確認

本位牌に入れるための文字を確認します。必要な項目は、”戒名”、”故人様名前”、”没年月日”、”没年齢”、の4つになります。仮位牌や逮夜参り用紙に戒名などの文字があります。必ず先ほどの4つのことが書かれているか確認します。
年齢は、仮位牌を書いたお寺様によって書き方が異なります。満年齢、数え年というものがあり、多くの場合、数え年で書かれており、実年齢とは違います。それは、仏教的にお腹の中にいるときから数えるので、数え年で書かれると言われています。

49日法要を確認

49日法要に本位牌を使用します。法要の日にちを必ず確認しましょう。49日法要を区切りに、仮位牌から本位牌へと変わります。仮位牌は、お寺様に引き上げてもらいます。地域やお寺様によっては、35日目で49日法要をするこもあるので前もって確認することをおすすめします。

位牌の大きさに迷わないために安置場所の確認

本位牌の安置場所を確認しましょう。本位牌には、号数(寸)で大きさが違います。あらかじめ置き場所の確認をすることで本位牌を作るときの大きさをスムーズに決められます。一般的には、4.0号(寸)~5.0号(寸)という大きさが多いです。もし、既存の位牌がある場合はその位牌に大きさを合わせることもあります。ただし、決まりではありません。大きさやデザインが同一だと並べたときに綺麗に見えるという理由から、合わせることが多いです。

本位牌の具体的な購入方法

仏具店での購入

本位牌の購入(注文)は、仏具店(専門店)が一番おすすめです。理由として、宗派による違いや、取り扱いの多さ、適正な価格という専門店ならではの適切なアドバイスから位牌を購入できるからです。他専門店以外でも購入できますが、宗派による違いが分からず、位牌を使わない宗派にもかかわらず買ってしまう、ということもよく聞きます。また、金額も専門店以外では同様の品物でも高額な金額で販売されていたりします。また、どうしても専門店の方が取り扱いメーカーが多く、位牌の種類も多くなり、購入するお客様目線から見てもメリットが多くなります。そして、位牌見本などもあり実際の雰囲気が分かりやすいので、選ぶ際にも選びやすいです。

お寺様に相談

多くの場合は、ご自分で本位牌を購入することがほとんどです。ただ、お寺様の方から本位牌の作成のお話がある場合は、お寺様と相談して頼むのもひとつの方法になります。ただし、この場合のメリット、デメリットもあります。まずメリットは、宗派による違いや位牌選びなどお寺様がしてくださるので、間違いがなく安心です。デメリットとしては、自分で位牌の種類を見て選べない、金額もお寺様から言われた金額になってしまいます。

インターネットでの購入

インターネット上には、さまざまな位牌を手軽に購入することができます。ここでのメリットとデメリットを説明していきます。まずメリットとして、多種多様な位牌を時間と場所を選ばず購入できます。デメリットは、実分のものを見ることができない点と、ある程度の専門知識がないと間違ったものを購入する可能性がある、相談がしにくい、またアフターフォローが不十分になりやすいというところです。また仏具関係は、専門的な知識が必要になるので信頼のおけるお店を選ぶとよいです。

葬儀社での購入

最初に葬儀社での位牌の購入はおすすめしません。本位牌を葬儀社でも販売しているところもあります。ただ、葬儀社はあくまでも”葬儀専門”です。業界として類似していますが、別分野です。葬儀社の方で、宗派の作法に精通している人はほとんどいません。なので、正しいお作法を元に販売しているところで購入することを強くおすすめします。これは、自分が実際に仏具店で働いていてお客様の声やお寺様の意見から日々感じていることなので間違いありません。

デパート、ショッピングモール、家具屋、JA(農協)などの専門店以外での購入

専門店以外での購入は、強くおすすめしません。専門店というのは、仏具店または仏壇店のことです。なぜ専門店以外での購入をおすすめしないかというと、単純に専門知識がない人が販売しているからです。何が良くて、何が悪いかも分からず販売してしまってい、残念な結果になってしまうからです。それに、金額も高いことが多く、高いお金を出して作法と違うものを買ってしまっていることがあります。残念の結果にならないように、専門店での購入をおすすめします。

本位牌の種類と金額と相場

塗位牌

5,000~10数万円位まであります。平均的には、2万~6万位が相場です。1万円以下のものは海外製品が多く、国産品と比べると品質が下がってしまうので、ご予算が合えば国産品をおすすめします。かなり昔からある伝統的なのものが多く、あきがきにくい洗練されたデザインです。

唐木位牌

1万~10数万円位まであります。平均的には、2万~6万位が相場です。5、60年前くらいから流行り現在に至ります。伝統的なものから、近代的なものまでさまざまなデザインのものがあります。木目を基調したものになり、1本1本微妙に異なります。

モダン位牌

15,000~10数万円位まであります。平均的には、15,000~35,000円位が相場です。モダン位牌自体がここ10年位で普及したもので、新しいデザインのものが増え続けています。

本位牌の納期

本位牌を注文してから、一般的には2週間程度で仕上がってきます。文字入れには、専用の機会や職人さんが必須になってきます。この機会や職人さんを自社で揃えているところは少なく、多くの場合外注に出してることがほとんどなので、2週間程度かかってしまいます。
自社で機会や職人さんを揃えて、文字入れをしていれば、最短当日仕上げ、遅くとも1週間程度で出来上がってきます。ただし、位牌本体を受注から作る場合は1ヶ月ほどかかることもあるので、早めに注文することをおすすめします。

位牌の注意点

宗派による位牌の違い

宗派により位牌を使用しない宗派があります。間違って作ってしまっている人も多いです。浄土真宗本願寺派(お西)、真宗大谷派(お東)の宗派は位牌を使用しません。過去帳または法名軸に書き記していきます。

位牌のお手入れ

位牌のお手入れ方法は、位牌の種類によって異なります。一番に注意してほしいのは、金箔を施しているものに関して、お手入れは避けた方が綺麗な状態を保てます。金箔や金粉は、とっても薄く剥がれやすいです。そのため、拭き掃除やホコリを払ったりしたときの摩擦でも傷つけることがあります。漆塗りや木目部分は、拭き掃除しても大丈夫です。ただし、強く擦りすぎたりすると傷の原因になるので、柔らかい生地のものを使うことをおすすめします。マイクロファイバーみたいなものでも大丈夫です。水拭きをする場合は、固く絞った状態で掃除をして、水分が残らないようにしましょう。水分が残ってしまうと、位牌を傷めてしまう原因になってしまいます。

位牌の安置場所

安置場所はそれぞれ違うと思いますが、多くの場合仏壇などの中に置くことがほとんどだと思います。その場合は、仏壇の上から二段目の右か左に寄せて置きます。また、直射日光を避けて置けるのであれば尚更よいです。日光の紫外線は、色抜けや、ひび割れの原因になります

まとめ

位牌の購入は、仏具店などの専門店(プロ)に任せると間違いがなく正しい買い物ができます。宗派による違いや、文字、大きさ、種類などさまざまな選択肢があります。せっかく位牌を作ろうと考え、購入するのであれば、間違ったものを買うよりは、正式なものを買ってもらうと後悔がないです。そして、正しいことをしたということが、先祖に対する供養や感謝の気持ちを現すことになり、あとに続く人たちにも伝えていけます。間違ったものを買ってしまい、お金や時間を無駄にしないように、正しい選択をし、本位牌を作ってもらうと幸いです。

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